聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



『起きてる?』


ドクンと心臓が鳴った。


夏樹は、すぐに既読となったのを確認したはず。


返信しないわけにはいかない。


『起きてます。昨日はすみませんでした』


と送った。



すると。



美桜の手の中で、スマホが震えた。電話だ。


画面には夏樹の名前が表示されている。


出ようか一瞬迷ったが、さすがに出ないと申し訳ないと思い、通話ボタンを押した。