聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



――告白する前にフラれたんだよねー。


菜々に、心の中でそっと話し掛けた。


そして、夏樹から5件メッセージが入っている。


夏樹のメッセージを見ようと、画面を開いた。


『時計塔に着いた』


『まだ?』


『もしかして帰ったの?』


『なんで帰った?話したいから返信して欲しい』


『何かあった?大丈夫か?』


夏樹の顔が思い浮かんで、美桜はまた涙を溢した。


――大丈夫じゃないです、先輩。


そう思った瞬間、メッセージが入ってきた。