聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



どのくらい寝ただろう。


起きたらカーテンの向こうが薄明るくなっていた。


時計を見ると、まだ5時前だった。


――7時になるまで布団に入っとこうかな。


うっかり寝すごしてしまわないよう、アラームをセットするためにスマホを探す。


昨日、あれからスマホを見てなかったから、バッグに入れたままだった。


取り出すと、通知ランプが点滅していた。


画面を開くと、ラインに7件も未読メッセージがたまっていた。


うち、2件は菜々から。美桜は、画面を開いてメッセージを確認した。


『わかった^^』


これは、美桜の「先に帰るね」という言葉への返信だ。


そしてもう1件。


『さっき堀越先輩と会ったよ。告白うまくいって、堀越先輩と一緒に帰ったのかと思ったのにどうしたの?』