その後のことはよく分からない。
気付いたら家に帰り着き、布団に入ってずっと泣いていた。
「美桜、どうしたの?具合悪いの?」
心配した母が一度部屋に来てくれたが、美桜は布団を被ったまま「お腹痛いの。だから今日はこのまま寝させて。」と答えた。
泣きすぎて鼻声になっていた。
「あら、風邪かしら?あまり辛いようだったら、明日午前中、病院に行きなさいね。」
布団の向こうからそう言うと、母はドアを開けて出ていった。
泣いていることが母にバレずホッとした美桜は、相変わらずぐるぐると、夏樹のことを考えていた。
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