美桜は、居ても立っても居られなくなり、思わずベンチから立ち上がった。


「ななちん、私やっぱり告白してくる!」


そう言うと、美桜は選手待合室の方へ駆け出していた。


向かっている途中で、ブブッとスマホが、震える。


『応援ありがとうな。今から時計塔のところに来て。』


――あ、時計塔のところ通り過ぎちゃった。


選手待合室の近くまで来た美桜は、そのまま建屋に近づき、キョロキョロと見回して夏樹の姿を探す。


――この辺にいたら、先輩と会えそうだけど…。


「突然何の用ですか?俺急いでるんだけど。」


夏樹の声だ。