聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



バスを降り、グラウンドへ向かうと、各所から集まった選手や送迎車達で混みあっていた。


「すご。大きい大会ともなると、集まる人数が違うねえ。」


美桜が歩きながらグラウンドへ向かう。


「ね!先輩達、見つけられるかなあ。」


そう話しているところに、美桜のスマホがブブっと振動した。
夏樹からだ。


『着いた?』


美桜は「あ、堀越先輩からだ」と菜々に言うと、『着きましたよ。今時計塔のところにいます』と打ち込んで送信ボタンを押した。


『そこで待ってて』


すぐにメッセージが来たので、美桜は菜々を引き留めて、時計塔の下で夏樹を待った。