――え、あのデリカシーゼロ男が、私の憧れの聖人君子なお兄ちゃん??まぁ言われてみれば確かに顔のパーツはそのまま、あの時のお兄ちゃんに似てる…
そこまで考えてから、ハッと我に返った美桜は、頭をブンブン振って必死に否定した。
「いやいやいや、ないないないない!!こんなことあり得ないから!え、ホントにあのメッシュの人が堀越夏樹先輩なんですか!?」
受け入れがたい真実を美桜が確認するために尋ねると、芽唯兄はコクリと頷いた。
「あ、もしかして知り合いかどうか確認したかったとか?」
呼んでみようか、という芽唯兄を制そうとしたが遅かった…。
「おい、堀越!ちょっときて〜」
こちらを向いたメッシュ男は、女子集団がいるところに呼ばれて面倒に思ったのか、少々かったるそうな様子で近づいてきた。



