聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



次の日曜日。美桜は菜々と一緒に、市民総合グラウンドへ向かっていた。


二人は並んで座り、バスに揺られながら話していた。


「それにしても、私が一緒に来てよかったの?」


菜々は遠慮がちにそう美桜に尋ねる。


「だって、一人じゃ不安で。ほら、ななちんなら矢嶋先輩のことも知ってるし。」


そう言って、美桜はフォローする。


菜々を連れてくるように言われたことは伏せていた。


「そういえば、この前4人でマックで会って別れた後、矢嶋先輩と一緒に帰ってたでしょ?気まずかったりしなかった?」


そう美桜が尋ねると、菜々は頭を振った。