聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



その日の夜、美桜が勉強をしていると、スマホがブブっと震えた。


伏せていたスマホを取り上げて画面を見ると、夏樹の名前があった。


『今、なにしてんの?』


シンプルなメッセージ。


美桜はトーク画面を開いてメッセージを打ち込む。


『こんばんは。課題してました。』


送信ボタンを押すと、すぐに既読がついた。


『そっか。邪魔して悪いな。』


『今度の日曜日、市民総合グラウンドに来れない?橋本さん連れて。』


『地区予選あって矢嶋も来るから、見に来て欲しい。』