聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



「そちら、イニシャルチャームを合わせると、より可愛いですよ。」


店員がカウンターの向こうで作業しながら美桜に声を掛けた。


「あ、チャームってこれですか?」


美桜がゴールドの『M』のチャームを手に取って店員に見せると、店員は柔らかく微笑んで頷いた。


「へー、白が好きなんだ?」


夏樹がそう尋ねると、美桜は「そうですね。服も割と白が多いかなぁ。」と答えた。


「色白だから、白似合いそうだな。」


「そ、そうですか?」


美桜はそう言いながら、えへへ、と照れた。


「で、それ買うの?」


夏樹が美桜の持ってるチャームを指さして尋ねる。


美桜は、うーんと唸ってから、考えていることを口に出した。