「気付いていなかったの? あなたって、ちょっと抜けているのね。わたくしがセリ様の恋を応援すると言った時から覚悟を決めていたのだと思っていたのだけれど、ただわかっていなかっただけなのね。もう、かわいいのだから」

 つん、とローズマリーの華奢な人差し指が、ペリウィンクルの鼻をつつく。
 持っていたバラをバサバサと落としながら、ペリウィンクルは「んえぇぇぇ⁉︎」と大声を上げた。