生意気な口め、と戯れるようにヴィアベルの親指がペリウィンクルの唇を割る。
 つ、と歯に当たる彼の指先に、ペリウィンクルはふるりと体を震わせた。

「そうだ。月見にはセントジョンズワートの茶を出してくれ。わかったな?」

「ん」

 短く返事をしたペリウィンクルに、ヴィアベルは「いい子だ」と満足げに微笑む。
 ペリウィンクルはぷうっと頬を膨らませて「また子供扱いして」なんて言っていたが、とんでもない。くつくつと笑うふりをして、その実、彼女に触れたばかりの親指を自身の唇に触れさせていたのだから。