(無理!)

「お願い、ペリ」
 
「かわいい顔したって……」
 
 理性がグラグラ揺れる。
 だって、ローズマリーは推しなのだ。かわいくって、仕方がない。どんな難題を課してきたって、だ。

「彼女がお友達だったら、国外追放された時に協力してもらえるじゃないの」

「はぁ……」

 こそっと耳打ちされて、ペリウィンクルは眉を顰めた。
 セリは大商人の娘だ。国を跨いで商いをする家だから、協力を得られたら心強い。

 だが、ルジャは男尊女卑の国。
 セリがローズマリーを助けてと願ったところで、確実に助けてもらえる保証はない。