「ねぇ、ペリ。あの子がヒロインよね?」

「そうだと思います」

「わたくし、上手にいじめられるかしら?」

「お嬢様はそのままで良いのでは?」

「どういう意味かしら」
 
 二人の目の前で、シナモンに助け起こされたヒロインは、もじもじと礼を言っている。
 だけど、ペリウィンクルは知っている。この時点でシナモンはとある令嬢に恋をしていて、ヒロインなんて意識していないことを。