「幸せになってくださいね、お嬢様」

「ええ。もちろん、あなたもよ?」

 ローズマリーはそう言うと、背伸びをしてペリウィンクルの頰にキスをした。
 ペリウィンクルも彼女の頰へお返しのキスを贈る。

「大好きよ、ペリ」

「私も大好きです、ローズマリーお嬢様」

「……ローズって呼んで。だってわたくしたち、それだけの仲でしょう?」

「ふふ。そうだね、ローズ」

 親愛のキスだというのに、ヴィアベルから不満げな空気をひしひしと感じる。
 ペリウィンクルは手を離せなかったので、唯一動かせる足で彼を蹴った。