「私を助けてくれたってことは、食べさせるつもりはないっていう解釈でいいの?」

「ええ、それはもちろん!」

「まさか、ヴィアベルを食べさせるつもりじゃないでしょうね? そんなの嫌よ、私。彼を食べさせるくらいなら、私を食べてもらうわ。痛いのは嫌だから、せめて痛くない魔法とかかけてくれない?」

「……あなたは、食べられても良いというのですか?」

「食べられても良いとは言ってない。だって、死にたくないし、怖いもの。でも、私かヴィアベルかって選択を迫られたら、迷わずヴィアベルって答えるくらいには、彼のことが好きだから……仕方がないのよ」

 惚れた弱みってやつね、とペリウィンクルは清々しく笑った。
 
「作り手を食べれば満足するのでしょう? だったら、私を食べればヴィアベルは食べられずに済むってことよね」

「……たぶん」

 言いながら、スヴェートの視線がペリウィンクルを飛び越えてさらに上へと移動する。
 もしやもう見つかったのかと身構えるペリウィンクルの上に、ぬ、と影が落ちた。