「私を食べたがっていた」

 真っ黒いドロドロとした生き物が、グパァと大きな口を開ける。
 真っ暗な穴の中に鋭く尖った歯のようなものが見えたのを思い出して、ペリウィンクルは青ざめた。

「ええ、そうです。あれは、あなたとヴィアベルを食べようとしています」

「どうして……? 私やヴィアベルが何をしたっていうの?」

「いいえ。あなた方にはなんの罪もない。全ての元凶は、わたしにあるのです」
 
 スヴェートは悲しそうに目を伏せた。

「あなたが元凶なのに、どうして私たちが狙われるのよ」

「それは、わたしが誕生花に、あなた方が作った栄養剤を使ってしまったから」