心配されて、嬉しくないわけではない。ヴィアベルはペリウィンクルにとって、最後の家族とも言える存在だから。
 離れていたって平気だけど、全然会えなくなるのは寂しい。

 彼が熱心に誘うものだから、「そんなに心配なら行ってあげようか」と思ったこともある。
 しかし、いざ調べてみると、そんなに簡単なことではないことが分かった。
 ペリウィンクルとしては、春の国から夏の国へ遊びに行くような感覚で考えていたのだが、そんなにお手軽な話ではなかったのだ。

 四季の国と中央の国では、時間の流れが違う。
 中央の国での一日は、四季の国での三日にあたる。中央の国で一年生活する間に、四季の国では三年も経過してしまうのだ。

(浦島太郎ほどではないけれど、びっくりよね)

 天涯孤独ではあっても、友人や知り合いがいないわけではない。
 ペリウィンクルが中央の国で暮らすうちに、周囲はどんどん老いていくなんて、悲しすぎる。