「トゥルシー様を親友に仕立て上げて、親友ならディル様との恋を応援してくれるわよね、と先手を打つつもりだった……とか?」

「うーん。考えられなくもないわね。見事に失敗しているけれど」

「それはまぁ、私たちが全力で潰しましたし」

「そうね。でも、潰すのはここまでよ。ここからは、ヒロイン……いえ、リコリス様とソレル殿下の恋を応援して差し上げないといけないわ」

 そう言うローズマリーの顔が、ほんの少し翳ったように見えたのは気のせいだろうか。

「さぁ。これから本気を出してリコリス様をいじめて差し上げないと。もちろん、ペリも手伝ってもらうからね?」

 茶目っ気たっぷりにウインクしてみせるローズマリーが、気丈に振る舞っているように見える。