(いや、キスしたいわけじゃないのよ⁈ そう、味! 味が気になるだけなの! それに、誰でも良いってわけでもないわ。ヴィアベルなら良いかなって。だってほら、甘そうに見えるじゃない? 頭に蝶がとまっているし……ああ、そうじゃない、そうじゃないのよ、もぉぉ!)

 大混乱である。
 そんな中、帰ろうとヴィアベルに手を引かれ、ペリウィンクルは叫びそうになった。

 恥ずかしさと気まずさでいたたまれない気持ち、とでも言おうか。
 まるで処刑場へ向かう罪人のような重い足取りで、ペリウィンクルは手を引かれるままに歩き続けるしかなかった。