いつまででも見ていたくなって、ヴィアベルはどうしたらそれができるのだろうと考えた。
 つらいことをすべて取り除いて、甘くてやさしい世界で守ってやれば良いのだろうか。
 そうだ、おとぎ話に出てくる姫のように、塔に閉じ込めてしまうのはどうだろう。

(だが、閉じ込めた姫は王子に取られると決まっているではないか)

 返事をしないヴィアベルに、ペリウィンクルが心配そうに「妖精さん?」と声をかける。
 あどけない声に、ヴィアベルの意識は唐突に引き戻された。