目が離せなくなって、世界にその人と自分しかいないような気持ちになって、倒れそうなくらい体が熱くなって、ふと気づくと人の姿になっている。
 はじめて人の姿を取った時、その目に映っている相手が番だ。

 出会い頭だったり、ある程度知り合ってからだったり、相手が死の間際だったりとさまざまではあるが、ヴィアベルは幸いなことに、ある程度知り合ってからだった。

 相手は契約していた男の孫で、両親を事故で喪った女の子。
 毎日毎日飽きもせずメソメソ泣いて、何にでも怯えてばかりの、ヴィアベルからしてみたら、近寄りたくない人ナンバーワンだった。