おそらく可能だろう。
 ヴィアベルからは再三、頼るようにと言われている。

 視線を感じたペリウィンクルがチラリとポットの後ろを見ると、妖精姿のヴィアベルが、ちっちゃな両手で大きな丸を描いていた。
 承った、ということだろう。

 ペリウィンクルが彼にだけわかるように手を振ると、グーズベリーのような頭を嬉しそうに揺らしていた。

「ええ、もちろんです」

「では、決まり次第連絡を」

「かしこまりました」

 ディルは、自分で言い出したことではあったが、容易く妖精王の茶会を承るペリウィンクルに、少しの興味を抱いた。
 だが、ポットの影から刺すような視線を感じて、抱いたばかりの興味を引っ込める。

 どうやら、ローズマリーの庭師はとんでもないお方に目をつけられているらしい。
 幸か不幸かは当人にしかわからないが、難儀なことだけはわかる。
 余計なことをしてとばっちりを食うのはごめんだと、ディルは早々に退散した。