ペリウィンクルが「それでいいよ」と言うと、ウサギは前脚を合わせて祈るように彼女へ感謝を述べる。

 律義なウサギだ。ペリウィンクルに利用されたとも知らないで。
 去りながら何度も振り返っては礼を言うものだから、ペリウィンクルの方が罪悪感でいっぱいになりそうである。

 翌朝目覚めたペリウィンクルは、もちろん夢のことなんて何も覚えていなかった。
 物置にあった栄養剤が全て無くなっているのを見ても、「ヴィアベルが使ったのかなぁ」と呟くだけだった。