江口先輩はくるっと振り返って私を見た。
寒くて…緊張して
私、鼻水出てたかもしんない……
「おお、徳永さん。おはよう。」
私のこと分かるんだ
ちゃんと覚えててくれてるんだ
私は先輩と目が合って会話してることに嬉しくて
昨日のモヤモヤした気持ちを忘れていた。
『おはようございます。先輩、遅刻ですか?』
一緒にロッカーに向かって歩く。
「うん。俺、朝弱いんだよ。」
私の少し斜め前を歩く江口先輩。
時間が止まればいいのにって思った…
『私も早起き苦手なんです。』
私が笑うと、
江口先輩もこっちを見て微笑んでくれた。
先輩…
その背中も
その笑顔も
大好き


