全治三ヵ月

読み終えた私はその手紙を胸に当て、目を瞑った。

少しでも気を緩めたら泣いてしまいそうだったから。

ゆっくりと瞼を開けると、ベランダに面した窓から一面に黄色い光が差し込んでいた。

その光の正体は満月。

真っ暗な闇に静かにまばゆいほどの光を放って浮かんでいる。

大きな、ゆったりとその温かい光を放つ月を見ていたら祖母のまるっこい笑顔を思い出した。


島崎さんは、私の憧れの人。

初めて出会った、憧れの。

さようなら。

私の三ヵ月。

さようなら......秘めた思い。


END

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