蓮は、わたしのこと、だましてたんだ。
罰ゲームで告白なんかして、それでわたしのことをからかってたんだ。
最低だ。

蓮がそんなに最低な人だとは思わなかった。
わたしを好きな演技、ずいぶんとうまかったよ。
だから、わたしはまんまとだまされただけじゃなく。
蓮のことがすごく好きで、いっしょにいると楽しくて幸せだと思えて……。

「だけど、もう、蓮とは」

会えないし、会いたくない。
蓮を最低だと思うのに、気持ちは冷めるどころか変わらない。
ううん、今も蓮に、迎えにきてほしいなんて考えてる自分がいる。

ああ、なんだか寒気がしてきた……。
そして眠気もおそってきた……。
ヤバい、このままわたし、死ぬ?
風邪、まだ完全に治らないうちにこんなところに来るんじゃなかった。

「えー、蓮くんじゃん」

その声でハッと目が覚める。
見知らぬ女子の声が聞こえた。

「ああ。ちょうどよかった」

蓮の声も聞こえた。

近くにいるんだ。
ってゆーか、他の女子と待ち合わせ?
罰ゲームでわたしの告白をしておいて、おまけに二股だなんて!

わたしはこぶしをぐっと握る。
そして、思わずこう叫んだ。

「蓮のばかやろおおおおお」