土屋は到着したタクシーに乗り帰っていった。
朝、携帯を開くと土屋くんからごめんとLINEが入っていた。
0時過ぎてるし……
敦美は仕事に行く準備をした。
まっ、気にしてもしょうがないよね
今日は家族と食事って言ってたし、仕事頑張ろう
「…さん、敦美さん」
「あっ、はい」
「ボーッとしちゃって、何考えてたの?」
「何も考えてなかったからボーッとしちゃったかもです、すみません」
ダメダメ、集中しなきゃお客様に怪我させちゃう
「ねぇ、敦美さん、今日のお昼休みは何時から?」
「今日は1時からです」
「ちょっとお願いがあって、1時間を私にくれない?」
「はい?」
「ねっ、今日だけ」
「はぁ……」
いつも終わるとランチをして帰る諒夏さんが珍しいな
「でもお待たせしてしまいますよ」
「大丈夫、駐車場にいるからね」
「はい……」
ジムのお客様の駐車場はビルから歩いて2分の所にある。
そうだ、私諒夏さんの車って聞いてなかった
…………えっ?
煙草をふかしながら立っている土屋くんがいた。
敦美に気づくと煙草を消して歩いてきた。
「昨日はごめん」
「う、うん」
「乗って」
今日は国産の白い高級車
助手席のドアを開けてくれた。
「あ、ありがとう」