「あっ、ちょい待ち」

土屋くんはシートベルトを外すと近づいてきた。

キス?と目を瞑ったが後ろにあった荷物を取りたかったみたいで……恥ずかし……

「忘れるところだった、誕生日プレゼント」

紙袋を渡された。

「見ていいの?」

「うん」

「わっ、凄い、可愛い〜」

「何が好きかまだ全然知らないからさ」

「嬉しい、お花好きよ」

「良かった」

紙袋の中にはガラスドームのプリザーブドフラワーが入っていた。

プレゼントまでオシャレだなぁ

「ありがとう…えっと土屋くんは何月?」

土屋くんの右手が私の下を向いていた顎をクイッと上にあげた。


「ちゅっ……5月(笑)」

「びっくり…んっ……」

今度は長いキスをくれた……

「はぁ……帰したくない」

土屋くんは残念そうだ。

「そんな…仕方ないでしょ(笑)」

「うん、また連絡する」

ブォンブォンとエンジンをふかして帰っていった。

もう、何日か聞けなかったじゃない(笑)



ご近所さん、ごめんなさい。

「ただいま」

「あっちゃん、おかえり、心配したわよ」

「ごめんなさい、友達とワインを呑んだら眠くて帰れなかったの、もう呑まないから」

急いでシャワーを浴びに行った。