「呑み会ではビールしか呑んだことないのよ」

土屋くんの顔がやっと布団から出てきた。

「あるの?仕事とかの呑み会、合コンとかも行く?」

「合コンは行ったことないけどバドミントンの試合終わりとかはあるよ」

「バドミントン?バレーじゃなくて?」

「うん、私バドミントン推薦で大学行ったの」

「いいな、俺もやってみたいな、最近運動不足」

「教えようか?」

「うん」

「じゃあ、今度やろー(笑)」

「うん、っていうか……今もう酔ってないなら話が……ある」



土屋はベッドの上で正座をした。

「なあに?」



「俺の彼女になって欲しい」


「…………彼女……のフリ?何か困ってるの?」

「違うよ、彼女だよ」

「私が?」

「うん」



「酔ってる?」

「いや、酔ってない」

「私が酔ってるのかな」

「少しは酔ってるとは思うけど……」


敦美は真っ赤になって頬を手で挟んだ。


「ダメかな?」

「信じられないんだけど……」

「どうしたら信じてくれる?」

「わかんない」


土屋は敦美を抱き寄せた。


「返事は?」

耳元で言われた。

「こ……」

「こ?」

「こそばゆい、耳元」


あぁ、耳が弱いんだな

敦美の耳元で話した。



「お願い……付き合って……くだ……さい」