「じゃあ、ここに泊まろう、家に連絡できる?」
「ここ?Soil HOTELに泊まれるの?」
「泊まれるよ」
「じゃあ、泊まる!」
「家に連絡して」
敦美は携帯を出して母親にLINEしていた。
大丈夫かな……
携帯をバックにしまっていた。
「下田、ここ動くなよ」
「はい!」
返事はいいんだよな(笑)
お店の前の椅子に座っていた。
とりあえず、店員に見ていてくれと声をかけて、フロントから鍵を持ってきた。
ありがとうと店に声をかけて、敦美を立たせる。
8階のボタンを押してエレベーターに消えていった。
部屋のベッドになんとか運べた。
「ふぅ……」
寝たか……
ベッドの傍に水を置いて土屋は部屋を出た。
10階のBARへ向かう。
「いらっしゃいませ、あれ?もしかして振られた?」
「まだ振られてねーし」
「じゃあ、何で1人なんだよ、2人で顔出すって言っただろ(笑)」
「笑うな、清志、ワイン呑んだら眠いって寝ちまったんだよ」
「家に送って来たのか?」
「いや、部屋にいる、泊まるって言うから」
「あー、いやらしいんだ、寝てるとこ襲うんだ」
「んなことしねぇ……そんな軽い女じゃねぇはず、何か1杯くれ」