「あー、美味しい、ここのHOTELのお料理好きだわ」

「私も……あっ、受け付けした?」

「まだ土屋くんに会えてないや、食べてから探そう」

「私も用があって……」

「ん?何で?」

「実はね……」

HOTELであった事を話してしまった。

普段こんなに自分の事を話すことはないのに、土屋くんの行動が謎すぎて、半分加奈ちゃんに相談もしたかった。

「うーん……まず言えるのはさ」

「うん」

「土屋くんはまたあっちゃんと会いたいと思ってるって事よね」

「そうなのかな、ご飯誘うのなんて社交辞令じゃないの?」

「それでも会費は払わないよ、誘う口実、あっちゃんが簡単に奢られる子じゃない事を多分わかってるからだよ、土屋くんて駆け引き上手だね」

「そうなのかな」

加奈ちゃんは名刺配りに行ってくると言って席を立った。

土屋くんに会ったら携帯に連絡をしてくれると言って……

でも、何の連絡もないまま帰る時間になってしまった。

きっと話が盛り上がっているんだろう。

谷口くんに挨拶をして会場を出た。

お盆で道路が混んでることを予想して予定より30分早くHOTELをでた。

久しぶりに会った友達と話すのも楽しかった。