「あの……」

敦美が口を開いた。

「ん?」

「今日って何時までなの?」

「一応19時まで場所はおさえてるよ」

「そっか……仕事があるから17時には出ないといけなくて、教えてくれてありがとう」

「仕事?お盆休みとかじゃなくて?」

「……うん」

「俺も実は終わってから少し仕事が入ってて……」

「……そう」

「いつかさ、メシでもいかね?」

「え?」

「下田とまだ話したい、多分会場だとクラスで固まりそうで、話ができないような気がする。あっ、彼氏いるなら他にも何人か誘って2人じゃないようにするし」

「彼氏はいないんだけど、今月はちょっと忙しいかな」

「俺も仕事バタバタしてて忙しいけどせっかく再会したし、お互い近況とか話したい……ダメかな?」

「ダメじゃないよ……」



お互いが照れて無言になる。

土屋くんの携帯がなり、やばっ!と声をあげた。

「行こうか」

「うん、ありがとう色々」

「いや、先に会えてよかった」

部屋のドアを閉めた時、クシャっとした笑顔になった。

この笑顔だけは昔から変わらないなぁ

入ってきた方向とは違い普通のエレベーターを待つ。

あれ?何で入ってきた時は違うエレベーターだったんだろう。