「うん……ごめん、家の都合だけで俺が勝手に動いて」

「朋絵ちゃんの帰国が原因よね」


「まあ、でも動いたのは俺だし焦ったのもあった」


「水曜日ね、加奈ちゃんと谷口くんのBARに行ったの」

「え?」

「加奈ちゃんに聞いてもらいたかったし、仕事の事も相談したかったからご飯食べに行ってね、BARで朋絵ちゃんに会った」


「何か言われた?」

「うーん、言いたかったけど、やっぱり性格的に言えなくて、加奈ちゃんがね(笑)」

「そんな事が……」


その時にお父さんの電話があったことを話した。


ちゃんと土屋くんと付き合ってるって言えたから朋絵ちゃんも納得はしてくれてるんじゃないのかなと告げた。


シートベルトを外すと軽く抱きしめてくれた。


「ごめん、俺がちゃんと鈴村に言わなきゃいけなかったのに……今日も本当は敦美の試合を見て2人でゆっくり食事するはずだった」

「晃大くんが優勝したから家族行事になったのね(笑)」

「うん、土日は敦美は仕事だから今日帰ってきたくて……明日東京に戻る……休日出勤してくる」

「あれ?午前中に終わったんじゃ(笑)」

「ごめん、敦美に会いたかったから……あと、父さんにも悔しくて嘘ついた」