いつもの公園を少し山向いてあがった所に大きなシャッターがあり土屋くんはボタンで開けた。

車が3台ある。

もう1台は誰のかわからないけれどフェラーリのマークは私でもわかった。

車を降りて庭を通ると玄関が見えた。

「どうぞ」

「お邪魔します」

「こっちよ、敦美さん」

「はい」



「母さんご機嫌だね」

晃大くんが嬉しそうだ。

「ゴルフウェアあげるんだと」

「へぇ」

「晃大の優勝が母さんの気持ちをあげたな」

「よかった(笑)」

「敦美は年上にも動じないからな」

「それはそうだな、きっと小さい時から大人と接しているから礼儀も自然に身についているんだろう、努力家にも思えるな」

「勝手に俺の彼女を分析するなよ、鈴村さんにも上手く言ってくれよな」

「今度のゴルフは鈴村くんを入れて4人で回るよ、その時に敬大の婚約者と紹介すればいいんだろ?」

「助かる(笑)」

「でも兄貴、敦美さんて結婚の返事くれてんの?」


「…………ん?あれ……」


「もしかして……」

「俺はずっと一緒にいたいみたいなことは言ったけど、そういえば……」


「じゃあ、婚約者はやめておくか、彼女と言おう」

「鈴村との婚約者の誤解を解くことをずっと考えてたから……あーもう……」