「凄いね、谷口くん」

「凄いのかな〜、仕事だからね」

「うん、自分が出来ない事ができる人って凄いよ」

「敦美は凄いが口癖だもんな(笑)」

「そうなの、土屋くんに言われて気づいたの」

「まだ土屋くん呼び?」

「恥ずかしくて呼べないの……」

敦美は照れた。

「(笑)また敬大はしばらく会えないな」

「うん、でも帰ってくるよ、敦美も来てくれるし、なっ」

「うん」

「良かったな」

土屋の方にショットグラスが出された。

「まだ、片付いてねえけどな……」

敦美は土屋の方を見た。

「それも1口ちょうだい」

「ダメ、強いから敦美は酔う」

「ちょびっと……」

敦美に可愛くお願いされると断れない。

ショットグラスを渡した。

「……ん」

ゴクッと1口飲むと苦い顔をした。

「ほら、キツイだろ」

「うん、やめとく」

「炭酸系のにする?下田は」

「うん、お願いします」




入り口が開くと朋絵が入ってきた。

「見つけた」

「……いらっしゃいませ」

普通に土屋の隣に座る。

「いつもの」

谷口くんがカクテルを作り始める。

敦美は谷口くんを見た。

困ったような顔をしている。

「こんばんは」

朋絵は敦美に挨拶をしてきた。