「い、いらっしゃいませ」

「あっ、加奈ちゃん、久しぶり〜」

「う、うん、帰ったんだね……」



2人は奥のテーブルに行った。

「何で2人で……」

「知るかよ……」

谷口と加奈は小声で話す。

テーブルには別の従業員が注文を聞きに行く。

「今日の話し合い、用があって来れないってなってたのよ」

「まあ、一応あれも用事だろう」

「私帰るわ」

「あー、またな」


谷口は土屋のところへ水を持って行った。

「明日仕事だろ、タクシー呼ぶか?」

「それとも私の部屋で少し休む?」

(おいおい、仕事って言ってんだろ)

「下まで連れて行ってやるよ」

土屋はため息ばかりついていた。

「清志、頼む」

「はいはい、じゃあ鈴村、呑むならまだ居ていいけど?」

「部屋に戻るわ」

「金は敬大につけとくから」


エレベーターに2人で乗る。

「何やってんだよ」

「鈴村の親父が酒強かった……久々に酔った」

「酔ったら帰れよ」

「そういう流れじゃなかった、母さんが体調悪くて父さんと帰ったからさ、俺が相手しないと……ふぅ」

「吐きそうか?」

「大丈夫」

土屋はタクシーに乗って帰っていった。



次の日の夕方土屋から敦美にLINEが入った。