土屋くんは旅館の仕事が終わってからの時間でも会おうと言ってくれてたのに、私が構えちゃった。
今楽しまなきゃ先に進めないね。
Soil HOTELのBARに加奈は来ていた。
「今日はアルコール?」
「どうしようかな……はぁ」
「いつも機嫌悪い時に来るのな(笑)」
「ごめんね、近くで年始に1組だけクラス会するって言うから幹事してよって頼まれたんだからその帰りよ」
「社長さん、忙しいのにな」
「来月から通いたいとかいうお客様がいるからね!逆に上手いように使われたわ」
「お互い様(笑)」
「あっ、鈴村(すずむら)帰ってきてるぞ」
「朋絵ちゃんね、昨日でしょ、LINE入れてた」
「昨日ここに来た」
「谷口くんが居るのを知っていて?」
「いや、何かマンションを借りるまで暫くここに滞在するらしい、久しぶりの日本で地元で色々変わってるからゆっくり住む所を探すって」
「お金持ちは全く……」
「そっくり返してやるよ(笑)」
「何で戻ってきたの?」
「父親が本社の専務で戻ってきたんだと」
入り口のドアが開いて谷口が見ると固まってしまった。
つられて加奈も入り口を見る。
土屋と朋絵が一緒に入ってきた。