中庸が行く。

この会社に勤めて約十年。
今では青くん、立派な主任である。

彼の課は、他の部門よりも少々問題児が多く、毎日頭を抱えている。

この「抱える」が、お腹であれば楽しいのだが、そうもいかないのが現実だ。

青くんの夢は窓際族。

彼の理想は事務所の隅っこで、誰とも関わらずに、自分の好きな事だけをして一日過ごしたい。

プラモデルを作っていても、誰からも何も言われないぐらいの存在感を出したい。
いや、存在感を消したい。

彼が趣味として始めた「短編小説」も、できる事なら会社の就業時間を利用して書きたいと考えている。

だがしかし、問題児だらけの課では、儚い夢でしかないのだ。