この恋は期間限定につき、お腹の子と逃げることにします~素直になれない秘書は敏腕上司の愛に捕らわれる~

「少し話そう」
そう言うと、隼人はデスクの前に置かれていたソファーに腰かけて、ポンポンと空いている隣の席を叩く。

「でも、今は仕事中でしょ?」
私は立ったまま、隼人を見下ろした。

体調不良を自覚し、妊娠がわかり、隼人の退職を川村唯から聞かされた私は、いつの間にか隼人から距離を置くようになってしまった。
もちろん一番の原因は秘密を抱えていることに対する後ろめたさ。
それでも、自分の信念として嘘をつきたくないと思っている私には、隼人を避ける以外に方法がなかった。

「今は休み時間のはずだろ?」
だから問題無いじゃないかと言いたげな隼人。

「それはそうだけれど・・・」

こういう公私混同みたいなやり方は隼人らしくない。
普段の隼人なら絶対にしないことだ。

「どうしても、桃と話がしたいんだ」

真っすぐに視線を外すことなく見る隼人にそれ以上の拒絶はできず、私はコクリとうなずいた。