三葉も出ていき、二人だけになった颯と心。
心は引き続き手を動かしている。
ひと針ずつ丁寧に縫い合わせていく心。
その姿をじっと見つめる颯。
颯「(やっぱりすごいな、心くん……。
いつもはあんなにかわいいのに、本気モードって感じで。
でも絵は苦手だったりとか、ギャップがまたときめくんだよね)」
そこまで考えてはた、となる颯。
颯「(いや、ときめくってなんだ……?)」
胸の奥がざわざわして落ち着かなくなる颯。
気を紛らわせるためにコーヒーでも淹れようかと立ち上がる。
活動部屋にはインスタントコーヒーと電気ケトルが備え付けられている。
颯「私コーヒー淹れるね!これお借りしてもいい?
(なんか落ち着かないからコーヒーでも飲もう!)」
心「え、いいの?ありがとうっ!」
颯「これくらいしかできないから」
戸棚からカップを取り出そうとした颯、床に落ちていた端切れに足を取られて転びそうになる。
心「危ない!はやて!!」
咄嗟に駆け寄る心。
そのまま二人で倒れ込み、心が颯を押し倒す形になる。
颯「(ええーーーーー!?)」
至近距離に心の綺麗な顔のドアップがあり、思わずボッと顔に火がつく颯。
心は押し倒した形のまま、じっと颯を見下ろす。
颯「あ、あの、心く……」
三葉「戻った」
ガチャ、とドアの開く音がして、三葉が戻ってくる。
慌てて勢いよく離れる二人。
三葉「? 何してるの二人とも?」
颯・心「「なんでもないよっ!?」」
きょとんとする三葉。
颯は真っ赤になった顔を隠しながら、バクバクする心臓を必死で押さえている。
颯「(どうしよう……っ)」
一方、心も顔を隠していたが、かなり頬を赤らめていた。
心「……これは、やばいかも」



