颯「(すごい!こんなワンピース見たことない!
でも、ものすごくかわいい…!!)」


このワンピースを自分が着てみたらどうなるか。
そんなことを一瞬でも想像して、すぐに否定する。


颯「(私なんか、似合うわけがないのに…)」

心「似合うよ」

颯「えっ!?」

心「はやて、着てみない?」

颯「むっ無理だよ!!私スカートなんて制服以外で履いたことない!
ワンピースなんて…っ!」

心「絶対かわいいと思うよ」


再び現れる、オオカミのような雄っぽい表情。
颯の心臓が大きく高鳴る。


颯「でも……」

心「大丈夫、僕を信じて」

颯「…っ!」

心「はやてがかわいくなれる魔法をかけてあげる」


カーテンの後ろで、出来立てほやほやのワンピースに袖を通す颯。
ドキドキが止まらない。
緊張しながらカーテンの中から現れる。

心「すごい…僕の想像以上だ…っ!!」

大也「マジかよ…」

三葉「綺麗…」

心「すごいよはやて!!君こそ僕の理想そのものだ!!」

颯「えっ!?」

心「やっぱりはやてしかいない。
Suitのモデルになってほしい。はやてのための服を作らせてほしい!」

颯「……っ」


自分に「かわいい」なんて無縁だと思っていた。
女の子らしいものは似合わない、王子なんだって。
でも、


心「僕がはやてをお姫様にしてあげる」


自分よりずっとかわいくてお姫様みたいな男の子に、そんなことを言われて。
お姫様みたいなのに、時々オオカミみたいな彼の魅力に囚われてしまった私は――


颯「よ、よろしくお願いします……」


気づいたら、彼の手を取っていた。