懺悔

中一春の日記
※前に話した内容あり
※病み系苦手な人自衛(大したものじゃないです)
※ほぼ内容そのまま


初恋でした。

自覚、したんです。
私にとって一番大切な人は貴方だったと。

好きです。

いつも軽く言ってきた言葉だったけど、

ちゃんと本気だよ。

恋愛感情だよ。

でも、前から曖昧に分かってはいたんです。


だから、




みっちゃんと付き合ったんです。


ごめんなさい。

私、みなにだけじゃなくて、ひいやみっちゃんに対しても大きな罪を犯したみたいだね。
謝っても、謝りきれないこの気持ちをゆるしてほしいなんて。

我儘かな。

始めから、話すね。


初めて同じクラスになった小3の時も、それなりに仲は良かったかな?

でも、決して恋愛対象として意識してはなかった。

一目惚れなんてもっての外。


問題は、六年のときだね。

まあ、出席番号の関係で、一緒に過ごすことが多くて、だんだん仲良くなっていったかな。

でも、まだ恋愛感情という恋愛感情はなかった

って思うよ。

さて、ここで登場するひい。

彼女とは、ずーっと前。家が近かったから、小学校に入学する少し前から付き合いがあって、彼女とは、小3の途中まで、親友、だった。

でも、彼女は少し捻くれてて、見下すような感じでものをいったり、気に入らないことがあると、話してくれなくなったり。

まあ、言ってしまえば、私の親は、そんなに彼女のこと好きじゃなかった。

でも、人見知りで声がちっちゃいとか、猫好きとか、なんとなく気が合って、私にとってひいは何度気まずくなっても、何となく隣にいないと落ち着かない、大切な存在だった。

全部、私の手元から消えてったのはいつの頃だろうか。小3?小4?

いつものかと思ってた。

いつもの流れ。

なんか分からないけど、ひいに気に入らないことがあって、避けられる。

この、性格のせいか、自分から話しかけに行くことはできない。


誰かが仲介してくれるのを待つ。


でも、違ったんだ。

私達の仲は戻らないまま、一週間がたち、一カ月がたち、一年がたち、二年がたつ。


六年生。

同じクラスになった、私とひい。

帰り道がすごく気まずくて。

集団下校でさ、
一番後ろはひい。
後ろから二番目が私。


他の人がわいわいやってる後ろで、
2人静まり返って、ただただ足を進めてた。

苦痛の時間だった。


言いたかった


ごめんね


何度振り向こうとしても、首は30度までしか動かなくて、顔を盗み見ることさえ難しかった。

口もからっからで、なんでこの一言だけ言えないんだろって、いつも自分を叱責してたな。

でも、そんな私達が少し話すようになったのは、やっぱり他人のおかげ。

他人を通して、少しずつ話すこと。

そして、相変わらずだったはずの帰り道も、
委員会で2人になることが増えて、
少し、話しやすくなったかな。

ごめんねは言えなかったけど。

大切なことを、言えるようになった。

毎日、少しだけ内側のスペースを開けて、
体を斜めにして歩くこと。
最初は意識してたけど、今はもう癖になったな。

あのさ、年頃の女の子ってみんな何かしらの創作にハマると思うんだけど。

それが例えば、絵だったり、小説だったり、漫画だったりする。

で、それがたまたま、私もひいも、小説だったってだけ。

全然ジャンルも違ったし、書きたいことも違ったけど、でも、小説に登場する、自分の
我が子
が、私達を再び繋いでくれた。

私はかなりの雑食だけど、ちゃんとしたのは書けなくて短編か中編がかなりをしめる。

一方、ひいは、
長編ファンタジー、戦闘系、なんかが多め。すごい、長く書くけど、何年もかけないと完結しないって感じ。

きっと、いや絶対私なんかより才能がある。

そんなことはどうでもよくて、そこで、私たちは、自分の小説について語り合うようになった。


好みのタイプが似てて、沢山、髪の毛とか目とか、性格とか、まあ、我が子がいかに美少年、美少女かについて語ってたな。

そして、始まったのは、

彼女のこの一言。


あい(ひいの我が子)がみなに片想いしてほしいな。


少し、ドキッとした。

でもまだその正体は分からずに、

許可、取ってみたら?

なんてことを言っていた。

もう、三学期だったと思う。


両想い、にさせたくなった

と、ひいが言った。

2人で許可を取りに行った。

いいよー

と微笑むみなが可愛くて、可愛くて、憎らしかったよ。

胸はずっと、悲鳴を上げてた。

でも、現実じゃない、


大丈夫。

そんなことを思って逃げていたな。

そして、ひいはそれに気づく由もなく

こうなったら、他の子にも相手つけたいな。

なんて言ってさ。

だから私、この想いを振り切るように、冗談みたいに言ったんだ。

私も、美少年に抱かれたいな。

この気持ちがもし恋なら、諦めるべき、だなと思ってね。

そこまでいっぱい自覚してた訳じゃないけど、これで、これが良いんだと、思い込ませていた。
バカみたいに、はるちゃんとみっちゃんどっちを選ぼうかなんて真面目に考えて、どっちにしようかな、で選んでさ。

私の彼氏はみっちゃんになった。

まだ、知らなかったんだ。

顔も温かさもわからない架空の人と付き合う苦しみも、決して別れられない辛さも、そして、みっちゃんが大好きなフリをしながら、他の人を思い続ける哀しみも。

彼女といっても、ほんとの彼女は、架空の私で、こっちはそんなにすることがなかった。

ただ、みっちゃんのフルネームを毎日呟くことと、みっちゃんを好きでいること、だけ。

ごめんなさい、

って、いつも最後に呟いてたんだ。

好きで、好きで、好きで、私の中で好き、はずっと燻り続けていて、止まらない涙のように私を苦しめて、

言い過ぎた、好きは、もう冗談みたいになって。

ごめんなさい。

私にそんな資格がないってこと、とっくにわかっているんです。


だって、みなが本当に大変な時、辛い時、私は一度も助けられてない。

本当にみながピンチだったときに、一歩が踏み出せなくて、自分の中で勝手に言い訳を考えて逃げて、所詮、自己満足だったのかなって、自分を殺してしまいたい程の罪の意識に苛まれるんだ。 
結局人間、自分が大切で、自己中で、どうしようもない生き物で、
そんなこと考えて、絶望して、幻滅する。

どうせ、いざとなったら、逃げる癖、守りたがってさ。
みなの為、なんて言って、結局は自分のため。

初めて、下の名前で呼んだ理由は、
みなのこと狙ってる人がいて、危ないから、私という、彼女がいるふりして、みなを守りたいってことだったよね。

貴方のよくわかってなさそうな顔も可愛かったよ。


でも、本当は普通に、下の名前で呼びたかっただけなのに、そんな、変なこと言って、意地張ってる自分にも、気づかれてた気がするな。

中学に上がって同じクラスでさ。

いつもよりもっと、スキンシップ激しくしちゃったかな。

帰りに送ってってさ。
先生に怒られたね。

そんなことしても、みなは悲しむだけなのに、

みなを悲しませたくないのにさ、

自己満足が止まらないんだよね。

みなには、溢れる涙を見られたくなくてさ。

カッコ悪いよね。


好き、だったんだよ。

心から。

 
いや、そう、気づいたんだ。昨日。

みなを守りたかったことに。


いつもみなのそばにいたくて、


みなが辛いときに、隣で支える存在になりたくて、


でも、不十分なんだ。


私は、みなを助けられなくて、

みなを悲しませてばっかりで、

私が隣にいてもみなを幸せにできないから。


他の人に託すべきなんだ。


あいちゃんならみなを助けてあげられる。
あいちゃんならみなを幸せにできる。
あいちゃんならみなのそばにいて相応しい。


だから、私、やっぱり、みなのことが好きだったんだなって、気づいたけど、



ただ、あいちゃん×みなとみっちゃん×私でダブルデートするような、ただの友達でいたい。



きっと、その道は、険しく辛いと思う。

好きな子に、好きって言えないこと。


でも、好きな子に笑っててほしいこと。


だから、今度こそ、私はみなを幸せにするために、みっちゃんを選びたい。


本当は、私が支えてあげたくて、守ってあげたくて、そばにいたいと思える、大切な大好きな子だけど、私にその役目は務まらないから、あいちゃん、せめて、みなを幸せにしてください。


幸せになってね。みな。


みっちゃんへ

 半端な気持ちでずっと付き合ってきた。
 貴方のことを重荷に思っていた。
 心から大好きって言えなかった。
 貴方の優しさに甘えていた。
 貴方のことをみなへの気持ちを断ち切るのに 利用した。
 
ごめんなさい。
幸せになってください。




ひいへ

 貴方がいなきゃ、私の時間は止まったままだ
 った。
 我が子のことを話すの楽しかった。
 貴方に沢山の嘘を吐いた。
 自分の気持ちを隠した。
 貴方の我が子を否定した。


ありがとう、そしてごめんね。
幸せになってください。



みなへ

 ずっと、好きでした。
 貴方を助けられなかったこと
 逃げたこと
 支えきれなかったこと
 傷つけたこと


貴方がいてくれたから、私は強くなれました。

ごめんなさい。大好きだよ。
幸せになって。



きっと、私は、変わらず生きていくんだろう。

この気持ちを隠しながら。