私はいつからか、ひいに無理な欲求をされるようになりました。
きっと、私もひいもまだ幼くて、周りが見えてなかったのだと思うけれど。

心は崩れかけていました。

誰にも悟られなかったけれど。

みながいるから大丈夫、って。

今でも覚えています。
5月、体育祭の日の朝。

私の何かが溢れました。

何で私とひいは友だちなのに。
平等でないの?
ひいは人をしたがわせて、楽しいの?

何がしたいの?

好きだから、友だちとして、大好きだから

苦しいのです。


人前で涙を見せるなんて、したことなかったのに。

好きな子の前で泣くなんて。

恥ずかしい。


でも、止まらなくて、


次に発した言葉で場の空気が凍りました。

あぁ。言おうなんて思ってなかったのに。



「みな、結婚…してください!」

は。
自分でも自分の声に固まるばかりで。


後にひけなくなった私は腹を決めて繰り返しました。


「結婚してください!!」


涙目で蹲りながら、何度も繰り返す私にみなは困ったように。


「結婚は駄目だけど。
その1歩手前ならいいよ。」


は?
私の脳内がフリーズしました。


「い、1歩手前て?」


「付き合うまでなら?」

天にも昇りそうな気持ちを抑えて

ほんと?ほんと?

っと何度も聞き返すと。

多分。

とか言いながら頷くみな。



でもこんな時間も長くは続きませんでした。


その日の昼。

みなから言われたのは


「今日の朝のことやっぱりなかったことにしていい?ごめんね。、」

口から出たのは
「そっかー」
という言葉だけ。

頭の中では
みなと半日付き合えただけで幸せだった。
とか
どうせ振るなら始めから振ってくれれば期待せずに済んだのに。
とか

色んな考えが渦巻いていたけれど。


声を絞り出して

「なんで?」
と、笑ったふりして尋ねたら。

「ゆらが私を好きなんて信じない。」

そういう内容のことを言われた。

これが1番心に来たかもしれない。

私は好きじゃない、
って言ってくれればよかった。
気持ち悪い、でも。
付き合えない、でも。

自分の好きって気持ちを好きな子に否定されるのが1番辛い。


みなは優しすぎるんだ。

その後。
好きだよ。

って何回も言ったけど。

違う。

って返されて。


最後は
ただ呆然と、
分かった。
と言っただけ。