◇
次の日。
恵真は大和と海沿いのランニングコースを走っていた。
海風を浴びながら、砂浜に長く続く道を走るのは気持ちがいい。
海上にせり出したサンタモニカピアには、ルート66の最終地点を示す看板もあり、多くの観光客でにぎわっている。
明るい陽射しと広い空の下で、恵真は胸いっぱいに空気を吸い込んだ。
「ほら、どうした? もっとスピード上げろ」
少し先を走る大和が、振り返って恵真に叫ぶ。
「ちょ、佐倉さん! 私、こう見えてれっきとした女子なんですけど!」
恵真も負けじと叫び返す。
「パイロットに男も女もあるか! ほら、ついてこい!」
「パイロットに足の速さは関係ありません!」
「つべこべ言うな! キャプテンの命令だ!」
「くーっ、この鬼キャプテン!」
「そんな減らず口を叩く余裕があるなら、さっさと走れ!」
「なにこの体育会系―! 私、文化部だったんですってば!」
やいやい言いながら走り、ようやく大和が休憩を取った。
ぐったりと座り込む恵真に、近くのワゴンで買ったドリンクを渡してくれる。
「ほらよ」
「あ、レモネード! 大好きなんです、私。ありがとうございます」
一気に半分飲み干し、あー!と声を出す。
「お前、オヤジか? それビールじゃないぞ」
「だって美味しいんですもん」
ふふっと笑う恵真に、大和も頬を緩めてから海を眺める。
次の日。
恵真は大和と海沿いのランニングコースを走っていた。
海風を浴びながら、砂浜に長く続く道を走るのは気持ちがいい。
海上にせり出したサンタモニカピアには、ルート66の最終地点を示す看板もあり、多くの観光客でにぎわっている。
明るい陽射しと広い空の下で、恵真は胸いっぱいに空気を吸い込んだ。
「ほら、どうした? もっとスピード上げろ」
少し先を走る大和が、振り返って恵真に叫ぶ。
「ちょ、佐倉さん! 私、こう見えてれっきとした女子なんですけど!」
恵真も負けじと叫び返す。
「パイロットに男も女もあるか! ほら、ついてこい!」
「パイロットに足の速さは関係ありません!」
「つべこべ言うな! キャプテンの命令だ!」
「くーっ、この鬼キャプテン!」
「そんな減らず口を叩く余裕があるなら、さっさと走れ!」
「なにこの体育会系―! 私、文化部だったんですってば!」
やいやい言いながら走り、ようやく大和が休憩を取った。
ぐったりと座り込む恵真に、近くのワゴンで買ったドリンクを渡してくれる。
「ほらよ」
「あ、レモネード! 大好きなんです、私。ありがとうございます」
一気に半分飲み干し、あー!と声を出す。
「お前、オヤジか? それビールじゃないぞ」
「だって美味しいんですもん」
ふふっと笑う恵真に、大和も頬を緩めてから海を眺める。



