第一部はそんな和やかな雰囲気で終了。

15分の休憩を挟み、いよいよ第二部のオーケストラの演奏となる。

休憩時間中に急ピッチで舞台を準備し、朱里も段取りを再度チェックする。

第一部とは雰囲気を変え、ズラリと並んだオーケストラのメンバーに、子ども達は、うわーと圧倒されているようだった。

一曲目は、アンダーソンの『シンコペイテッド・クロック』

「コツコツと時計の音が聞こえてきますよ。でもこの時計、時々ちょっとズレちゃうことがあるんです。さあ、今日はちゃんとズレないでコツコツ時間を刻めるかな?よーく聴いていてくださいね」

演奏が始まり、子ども達はステージに釘付けになる。

ウッドブロックが軽快に規則正しくコツコツ鳴っていたか思うと、コッ…ツ、コツとふいにズレる。

子ども達は、あれ?という顔で、家族と顔を見合わせて笑っていた。

「続いての曲は、サン=サーンス作曲の組曲『動物の謝肉祭』です」

ライオンやゾウ、白鳥など、色々な動物を表現した短い曲を、朱里のナレーションを挟みながら演奏する。

バックスクリーンで動物のイラストを映し出したり、照明を変えたりする演出も加えた。

そして最後は、エルガー作曲の『威風堂々』
中間部はCMでも使われたりする有名な曲で、ラストの盛り上がりも迫力があり、子ども達は演奏が終わった途端大きな拍手を送ってくれた。

アンコールの『ラデツキー行進曲』は、みんなで一緒に楽しもう!と、指揮をやりたい子、楽器を演奏したい子もステージに上がってもらう。

客席の大人達も手拍子で参加してもらい、大いに盛り上がってコンサートは幕を閉じた。