365日間、君の言葉に励まされて

2人して歩き出した時。彼女がこちらに向かって頭を下げた。

「無理言ってすみませんでした。
でも、ほんとに助かりました。ありがとうございます」

「いえ、こちらこそです。あなたがいて、とても助かりました。俺だけじゃ、たぶん見つけられなかったので、きっと。ありがとうございました」

「よかったです。それでは、失礼します」

またもや微笑む彼女。
俺もぺこりと頭を下げてお互いに別れる。

それが彼女との出会いだった。

高校に入ってクラス表を見た時、女の子に言っていた、『高宮真衣』と言う名前がのっていて驚いたのを覚えている。

俺はあの時、めがねにフードをかぶっていたものだから、向こうが顔を覚えていないのも仕方がない。

でも、学校でもあの時の同じように優しく、そして美しい彼女に俺の心はどんどん奪われていった。思えば、迷子の子を送り届けたときから奪われていたのだろう。

彼女がつい目に入ってしまう俺だったが、この日、最悪なことになってしまう、

高宮が俺の家に来る2日ほど前。
俺が彼女を見ていたのが噂好きのやつにバレたのだ。

「お前、高宮真衣のこと好きなのー?」

油断していたのが悪かったのだろう。
俺はその声がした方にバッと振り向いてしまった。

「え、がちで?」