高校1年生、天野羽依(あまの うい)は愛猫の小麦の頭を撫でてから、母親を振り返る。



「おかーさーん!行ってくるね〜!」



「はーい、気をつけてねー」



母親の声を背に、私はドアを開けた。



「羽依ー!」