夏休み。

太陽が嫌というほど輝いていて、暑さを感じる。

一体気温は何度なんだ…。

そして…。



「なんでお前はここにいる!!」

「なんだよ。悪いかよ」

「悪い!すっごく悪い!」



私は目の前にいる幼馴染の碧葉に突っ込む。

私、紅桜蘭奈(こうおう らな)は、普通の高校1年生だ。

そして、目の前にいるのは、幼馴染の宇宮碧葉(うみや あおは)。

同い年で、家も隣同士のこいつとは、かれこれ10年以上の付き合いである。

お互い家族ぐるみで仲がいいから、当たり前と言えば当たり前かもしれないけど…。

家が隣だからだろうか。

夏休みになってから、こうして毎日私の家に来ては、お菓子を食べたりゲームしたり。

今は、持ってきた漫画を読んでいる。

こいつ…。

朝からずっとここにいる碧葉に、私は少しキレ気味に言った。



「ねえ。ここ私の部屋。分かる?」

「そうだね。蘭奈の部屋だね」



漫画を読みながら、適当に返事をする碧葉。