そう言った大空は、あの優しい笑顔で私を見ている。
もしかして、私が少し前に『星空が好き』と言っていたことを、覚えていてくれたのだろうか。

学生時代はよく時間を見つけては星空を見に行ったりしたけれど、最近はそいういこともしていないし、いい機会かもしれない。


「大空がよければ、行ってみたい」

「うん、一緒に行こう」

「ありがとう……!」


嬉しさのあまり、勢いよく大空に抱きついた。

人生で初めて、お付き合いしている人のご両親にお会いする。 それはきっと大空が私のことを『両親に紹介しても大丈夫』と思ってくれたから。

それに、大好きな人と一緒に星空を見に行けるなんて……!
こんなに嬉しいことは、24年生きていて初めてかもしれない。


「星七、かわいい」

「え、なんでよ……」

「素直に喜んでくれて、嬉しい」


そう言った大空は、私のおでこにそっとキスを落とした。

以前梅沢先生にこんなことをされてもなんとも思わなかったのに、大空にされると胸の辺りがくすぐったい。
それくらい、大空のことが大好きなんだ。


「大空……もっとキスしたらダメ?」

「……っ、ダメなわけない」


少しだけ頬を赤色に染めた大空の顔が近づいて、唇が重なった。

相変わらず大空のキスは心地がよくて、頭からつま先まで、一瞬でとろけてしまいそうになる。